「中学英語を勉強したいけれど、市販の参考書や問題集がたくさんあって、どれをやったらよいのかわからない」
「問題集を買ったら、自分のレベルに合わなくて……」
書店にズラリと並んだ中学英語の参考書や問題集を見ただけで、「どれを選べばよいのだろう?」と悩んでしまいますよね。
インターネットで調べてみても、オススメとされるものがたくさん出てきて、本当に「自分に合っているのか」がわからないこともあるはずです!
その人にぴったりの問題集を選ぶのには、次の2つのポイントをおさえる必要があります。
- 学力のレベルに合ったもの
- 学習の目標に合ったもの
このどちらが欠けても、「この問題集はイマイチかも……」となってしまうでしょう。
今回の記事では、市販のものから塾用教材まで、みなさんの学力と目標に合ったオススメの問題集をまとめてご紹介します。
目次
英語の問題集を選ぶ、その前に
英語の問題集を選ぶ前に、みなさんひとりひとりの現在の学力をチェックしましょう。自分の学力レベルに合わせて勉強をすることが大切です。
自分の学力に合っていないと、「わからない→できない→つまらない→やらない」の負のループにはまってしまったり、問題がもの足りなくてすぐに飽きてしまうこともあるでしょう。
中学以前の英語でつまずいている人へ
英語の学力をチェックする前に、もし「中学以前の英語でつまずいている」人がいるなら、まずは「ABC」のアルファベットからしっかりと復習をしましょう。
いくら英語ができないからって、アルファベットから復習する必要があるの?
あります! とくに単語の発音がわからない人はアルファベットから復習しましょう!
アルファベットの発音がしっかりとできていないと、初めて見る英単語を想像して読むことができません。単語の発音がわからない人は、アルファベットの音がまだ身についていない可能性があります。そのため、小学生の教材から復習を始めるとよいでしょう。
小学校の英語でつまずいている人の学習教材
ここではアルファベットと英語の発音、そして覚えておきたい英単語を学べる教材をご紹介します。
音声CDが付いているので、アルファベットの音を聞きながら書きとりの練習ができます。英語の基礎固めをするのにはぴったりの1冊です。とくにアルファベットの書きとりが苦手な人にオススメ!
こちらは英単語の書きとりが練習できるテキスト。音声CDが付いているので、音を確認しながら単語の書きとりができます。身の回りにある単語が中心なので、中学英語に向けての基礎固めにぴったりです。
塾用教材からは「CORE English」をオススメします。こちらは2020年の新学習指導要領に対応しており、小学校から中学校への英語をスムーズに学ぶためのテキストです。
QRコードから「デジタルブック」を開けば、テキストに載っている英文をすべて聞くことができるのもオススメのポイント。中学校で習う英語表現も多く含まれているのもグッドです。
定期テストが50点未満の人へ
定期テストで50点未満の人は、まず「定期テストの点数をアップ」することを考えましょう。学校の授業を集中して聞き、ワークをしっかりと解いていれば、50点未満になることはないはずです。
50点未満の点数になるということは、「これまでの英語でつまずいているところがある」、「学校の授業をしっかりと聞いていない」、「学校のワークを繰り返し練習していない」かのどれかでしょう。まずはこれらを見直すことからがスタートです。
定期テストが50点未満の人の学習教材
定期テストの点数が50点未満の人は学年にかかわらず、次の3つの教材を学習しましょう。とにかく、定期テストの点数をアップするのが先決です。
- 教科書
- 学校のワーク
- 教科書準拠の問題集
中学校の定期テスト対策に使える教材・問題集については以下の記事にくわしく解説しているので、よければご参照ください。
中学生の定期テスト対策に使える問題集・教材は「学校のワーク」と「教科書」がベスト!【2020年版】復習をするのにぴったりな参考書は?
定期テストが50点未満の人は、自分がどこからつまずいているのか、教科書と学校のワークを使って探しましょう。つまずいているところを復習をするとき、教科書や学校のノートを読んでもわからなければ、次に3つを試してください。
- 学校の先生に質問する
- スタディサプリを利用する
- 復習用の参考書を購入する
教科書のわからないところは、学校の先生に質問をするのがベストです。どうしても学校の先生に聞けないときは、スタディサプリか復習用の参考書を購入しましょう。
教科書を復習しているときに、わからないところが出てきたら困りますよね? スタディサプリはプロの人気講師による映像授業が受けられるオンライン学習サービスです。学校の授業や教科書のわからないところを復習するのにぴったりなサービスと言えます。
「月額1,980円」というコストパフォーマンスのよさと、「2週間の無料お試し期間」があるので、復習用に試してみるのはいかがでしょうか?
復習用の参考書は、『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』がオススメです。
中学英語でつまずいたら、この参考書を利用して復習しましょう。解説がわかりやすく図解されているのもポイントです。英語に苦手意識をもっている人にも読み進められるように工夫されています。
現在の学力と目標をチェック
その人にぴったりの問題集は、ひとりひとりの現在の学力と目標(英語の学習において)によって異なります。
自分にぴったりの問題集を見つけるために、まずは現在の学力と目標を照らし合わせてみましょう。
学力のグループ分け
学力は「中1〜3の学年」と、「定期テストの点数」の2つからグループ分けをします。
- 中1〜3年生毎
- 定期テストの点数
英語は積み上げ式の科目(1年生の内容がわからないと2年生の勉強がわからないなど)なので、学年が進むにつれて定期テストが難しくなります。また、高校入試に向けて本格的な勉強が始まる中3は、学力のバラツキがより大きくなるため、中1・2年生と分けるのが自然でしょう。
- 50点未満
- 50〜75点
- 76〜89点
- 90点以上
50点未満の人についてはすでに述べた学習教材をオススメします。中1年生の英語は点数がとりやすいため、グループを上記のようにわけました。
とくに、1年生の2学期は「3人称単数」と「現在進行形」などの文法が始まることから、ここで点数を大きく下げる生徒がまま出てきます。2学期期末と学年末試験で75点以下の場合、学校の勉強(授業やワーク)をもう1回見直してみましょう。
1年生の学年末試験で90点を越えるようなら、新しい問題集を買わなくてもOKです。中2年生までは学校の教科書やワークを中心に勉強を進めましょう!
- 50点未満
- 50〜75点
- 76〜85点
- 86点以上
中2は助動詞、不定詞、動名詞、第2文型をとる動詞(lookなど)、比較、受動態と高校入試において頻出の単元を学習します。
1つの英文のなかに、「時制(現在・過去・未来)+不定詞」や「動名詞+比較」、「助動詞+受動態」などいくつかの単元が組み合わさった表現が出てくるため、ここで英語に苦手意識をもってしまう生徒もいるでしょう。
中2の定期テストの点数は、中1よりも下がる傾向にあります。2年生の学年末テストで86点を越えてくるようであれば、入試に向けてハイレベルな問題を解き始めてもOKです。
- 50点未満
- 50〜70点
- 71〜85点
- 86点以上
中3は現在完了、第5文型(make・call・name)をとる動詞、分詞(後置修飾を含む)、関係代名詞など、この学年も入試頻出の単元がどしどし出てきます。
とくに、分詞と関係代名詞は、神奈川県の入試において配点の高い「並び替え(問4・配点は1問につき4点)」と「長文読解(問6と8(配点は1問につき5点))」でよく出題されるため、しっかりとマスターしておきたいところです。
中3になると高校入試の勉強が始まります。ただ、志望校によっては入試対策よりも3年2学期の定期テストをしっかりと勉強するのがよい場合もあるので、どの問題集がベストなのかは難しいところです。
学習の目標
英語学習の目標は人それぞれに異なりますが、大きくは次の3つに分けられるでしょう。
- 定期テストで目標点をとる
- 高校入試で目標点をとる
- 高校英語に向けての下地をつくる
1. 定期テストで目標点をとる
定期テストで目標点をとるためには、学校の授業を集中して聞き、ワークを繰り返し練習することがもっとも大切です。
中1・2年生であれば、学校ワークと教科書準拠の問題集を繰り返し練習することで、「定期テスト80点」を越えられるでしょう。
学校の授業をしっかりと聞き、ワークをパーフェクトに解けるようになれば、中1の定期テストで90点、中2で85点以上をとれるようになります!
もし、模擬テスト(神奈川であれば全県模試など)で「85点以上」を目指すなら、学校ワークや教科書準拠の問題集にプラスしてハイレベルなテキストを使うのもOKです。
2. 高校入試で目標点をとる
高校入試で目標点をとるためには、神奈川県立入試の過去問や「全国入試問題正解」など、より実践的な問題集を使う必要があります。
高校受験をするのであれば、この2つの問題集は購入しておきましょう。これらについては「学力のレベルがウンヌン……」を無視して構いません。とくに、塾へ通わずに高校受験をするのであれば、「全国入試問題正解」は手に入れるようにしてください。
入試に固有の問題
高校入試の問題は「教科書の範囲」から出題されるものの、定期テストとは形式や質が異なるものもあります。入試に特有の問題は、定期テストの勉強だけだと解きにくいものもあるので、しっかりと対策をしなければなりません。
入試に特有の問題として、下の例を見てください。これは定期テストではほとんど問われないタイプの問題です。
次の( )に適する語を選択肢から選びなさい。
Mike, ( )run here.
1. isn't
2. don't
3. doesn't
4. be
この問題の正解は「2」。Mikeという主語は中1で習う「3人称単数」に当てはまるので、「dosen't」を入れたくなりますが、これが引っかけの選択肢です。
このような問題に慣れるためにも、入試の過去問と「全国問題正解」は必須の問題集と言えますね。
3. 高校英語に向けての下地をつくる
高校英語が始まって多くの人がつまずくのは、「5文型」の導入です。5文型というのは「SVOC(M)」のアレで、保護者の方は「あ〜!」となるかもしれません。
高校の英語は文法、長文、英作文のすべてが「5文型」をもとに解説されます。もしSVOCがしっかりと理解していないと「え!? 何コレ、訳がわからない……」となり、勉強がまったく進みません。
県立トップ校(旧学区トップ校)を目指すなら受験生なら、高校英語への下地をつくるために、「5文型」を意識した問題集を使うことをオススメします。
5文型を意識した問題集を使うと、県立高校入試の「並び替え」や「英作文」、「長文読解」に強くなるメリットもあるので、その点からもオススメです!
学習の目標と学力別のオススメ問題集
ここからは、「学習の目標」と「学力」を組み合わせ、それぞれにぴったりの問題集をご紹介します。目標別→学力別となっているので、自分に合ったところをチェックをしてみましょう。
1. 定期テストの対策
定期テストの対策は、学校ワークと教科書準拠の問題集を繰り返し練習することがもっとも大切です。定期テストでしっかりと点数をとれるようになってから、ハイレベルの問題を演習するようにしてください。
中1「89点以下」、中2・3「85点以下」
定期テストの対策は、中1であれば「89点以下」、中2と中3であれば「85点以下」の場合、教科書準拠の問題集をパーフェクトに仕上げましょう。
中1「90点以上」、中2・3「86点以上」
定期テストで、中1「90点以上」、中2・3「86点以上」をクリアしているなら、ハイレベルな問題集にチャレンジしてもOK! ここでは市販のものと塾用教材の2種類をご紹介します。
ハイレベルな問題集としては、ここで紹介した「ハイクラステスト」シリーズと「最高水準問題集」シリーズの2つがあります。どちらの問題集でも大きくは変わらないので、後は好みの問題です。実際に書店で手にとってみて、気に入ったものを選ぶのがよいでしょう。
問題のレベルが県立トップ校(旧学区トップ校)向けになっているため、塾用教材であればコレがオススメです。WinPassは確認問題から読解問題までスムーズに演習ができるので、学校のワークしか解いたことのない人でも戸惑うことなく学習を進められます。
2. 高校入試の対策
先にも述べたように、高校入試対策の問題集としては「入試過去問」と「全国問題正解」の2つが必須です。とくに塾に通わずに受験をする人は、「全国問題正解」を手に入れるようにしましょう。
中1・2「50〜75点」
まずは定期テストの点数を上げるのが先決です。少なくとも定期テストで「80点」を越えるように、学校のワークと教科書準拠の問題集を繰り返し練習しましょう。
もし授業や教科書の内容がわからないのであれば、学校の先生にしっかりと質問をしよう! また、授業の復習としてスタディサプリを活用するのもオススメです!
中1「76〜89点」、中2「76〜85点」、中3「71〜85点」
神奈川県立高校入試の英語は、正答率が「10%」を切る問題は出題されません。また、「正答率50%以上」の問題が入試全体の半数以上(約6割ほど)を占めています。中堅〜上位校を志望するのであれば、このレベルの問題をいかに落とさないかが合否の分かれ目となります。
志望校が上位校以上なら、正答率20〜40%の問題も落とさないように練習をしましょう。正答率が10%以下の問題は、解説を読んで理解できればOKです。
WinPassは県立高校入試対策としても十分に使えます。
中1「90点以上」、中2・3年「86点以上」
志望校が旧学区トップ校なら、正答率10〜40%の問題を落とさないように練習をしましょう。
実践的なテスト形式になっており、模試を受ける感覚で勉強できるのがポイント。1回目が解き終わったら、分野別(文法・長文読解・英作文など)にシャッフルして解き直しをするのがオススメ。
WinPassはこの学力レベルの人でも十分に使えます。
3. 高校英語へ向けての下地をつくる
「高校英語に向けての下地をつくる」ことを目標にしている人は、少なくとも定期テストで「85点以上」をとれるようにしておきましょう。
ここで紹介する問題集は、大学受験を見据えて「土台」をしっかりとつくりたい人に向けたものです。
中1〜3「85点以上」
ここでは市販の問題集を3つご紹介します。
Z会の中学英文法Fineは5文型の解説から始まるので、高校英語に向けての準備ができる教材です。解説ページと確認問題が見開きの1ページにおさまっていて、ひとつずつ単元を進められます。
Fineは問題の量が少なく、どちらかというと参考書の要素が強いものの、高校英語を知ることと中学英語が復習できるオススメの1冊です。
Mr. Evinの英文法ブリッジコースは題名の通り、「中学から高校に向けての橋渡しとなる英語教材」です。
この本のシリーズはもともと大学受験用のものからスタートしたこともあって、5文型の解説がしっかりとされています。
説明は語り口調なので、中学生にとって理解しやすいのもグッドです。問題が少ないのが難点も、高校生の基礎固めとして最適の1冊と言えるでしょう。
Mr. Evinのマスターコースは大学受験用の英文法のテキストなので、「え?! 中学生でも理解できるの?」と不安になるかもしれません。ただ、先ほど説明したブリッジコースを理解していれば、この本を読み進めることは可能です。
中学生であれば、このマスターコースを読んで「なるほど!」となればOK。載っている問題は解けなくても構いません。このテキストを読むことで、高校英語の文法の全体像をつかむことができます。
大学受験を考えると、英文法は高校1年生のうちにひと通り終えるのがベスト。そのため、中学のときに高校英語に触れておくのは大きなアドバンテージです。
さいごに
市販の問題集を選ぶときは、実際に書店で手にとってパラパラと見るようにしましょう。どうしても自分の好みに合う・合わないが出てくるので、本を見て確認することが何よりも大切です。
あなたにとってのぴったりの英語の問題集は必ず見つかります。