定期テストが近づくと、「この前の期末テストでは思うような点がとれなかったし、もう、どう勉強すればよいのかわからないな」とか、「テスト対策に使っている問題集がよくないから、成績が伸びないのかな……」などの不安や悩みを感じながら勉強を進めている人もいらっしゃるでしょう。
とくに、塾へ通わずに家庭で定期テストの勉強をしている人は、「このままの勉強方法でよいのかな?」とより不安を抱えているのではないでしょうか。
- どの問題集・教材がよいのか?
- いつから勉強を始めるのか?
- どのように勉強をするのか?
今回の記事では、どんな問題集・教材をいつから・どのように勉強すればよいのかをわかりやすく解説します。
目次
どの問題集・教材がよいのか?
中学校の定期テストは、生徒ひとりひとりの学力の現状を確かめるために行われます。つまり、学校の先生は生徒が授業の内容を理解し、知識が身についているのかを知るために定期テストをつくるのです。それでは、定期テストの問題はどのようなものなのでしょうか?
中学校の定期テストはどのような問題なのでしょうか?
学校の授業で教わったもの、教科書に載っているものが中心となります。
定期テストの問題は学校の授業と教科書に載っている内容がメインです。そのため、テストで80点以上をとるには以下の2つのことをしっかりととり組むようにしましょう。
- 学校の授業を集中して聞いて理解する
- 学校から配られたワークを解いて理解する
定期テストで高得点をとるには、上の2つは「必須」です。とくに塾へ通わずにテスト勉強をするのであれば、とにかく「学校の授業」と「学校のワーク」はわからないところがないようにしておきましょう。
オススメの問題集と教材
定期テストで80点以上をとるには学校の授業とワークを中心に勉強を進めてください。オススメの問題集と教材は以下の4つです。
- 教科書
- 学校のワーク
- 学校配布のプリント
- 教科書準拠の問題集
ひとつずつ詳しく解説します。
1. 教科書
教科書はテストの勉強をする上でもっとも大切な教材です。先ほど、「学校の授業を集中して聞くこと」が大切だと書きましたが、先生は教科書の内容をもとにして授業を進行します。学校の授業で習ったことを定着させるのは、教科書を使っての復習が最適です。
授業中にとったノートを見ながら、教科書を読んでしっかりと理解をするようにしましょう。このとき、定期テストでどんな問題が出るのかを予想しながら、教科書を参考に「一問一答」の問題を自分でつくれるようになればベストです。また、「一問一答」がつくり難い数学は、教科書に載っている計算問題の数字を変えて、オリジナルの問題をつくるのがよいでしょう。
2. 学校のワーク
学校のワークは教科書に準拠した問題集です。教科書に沿った学校のワークを隅々までできるようになれば、定期テストでは高得点をとれるでしょう。それでは、ワークをテスト対策としてどのように使えばよいのでしょうか?
学校ワークの使い方
ワークは試験範囲の解答と丸付けをし、学校に提出します。提出のために書き込まれたワークは定期テスト対策に使いにくいため、書き込む前のものをコピーしておきましょう。
定期試験の1週間前までに、試験範囲の問題をすべて解きます。解説を読んでもわからないものはチェックしておき、後で学校の先生に質問をしましょう。
定期試験の1週間前までにワークの試験範囲をひと通り解き終わるように、スケジュールを立てることが大切です。
1回目に解いたワークの問題のなかで、わからなかったもの、正解できなかったもの、正解したけれどあやふやだったものの解き直しをノートにします。
- 解き直しをする問題をノートに書き写す
- 解説を読んで理解をする
- 問題を解き直す
- なぜ間違えたのか、その原因をノートに書く
- 類題を探して解く
問題をノートに書き写すときは、要約したものでOKです。類題はワークや教科書から探すようにしましょう。もし自分で類似の問題をつくれるのなら、それを解いてもOK!
2回目のワークを解きます。その後、正解できなかった問題の解き直しをノートにしてください(この時点であやふやな問題はゼロにしておくこと)。
2回目の解き直しは、「どうすれば次は間違えないのか?」を考え、その対処法をノートに書いておきましょう。また、解き直しの回数(何回目なのか)も問題のそばにメモしてください。
2回目で正解できなかった問題を誰か(家族の人でも友だちでも先輩でもOK)に解説しましょう。解き直した問題を先生のように解説することができれば、それは「できる」ようになった証です。
試験の前日には、正解できなかった問題を解き直したノートとワークを確認します。とくに、「解き直しノート」に書いた対処法をしっかりと見直してください。
ワークのA問題(基礎問題)は語句や問題の解き方を確認するだけでOK(ノートに書かなくてOK)です。それが終わったらB問題(応用問題)を復習しましょう。
3. 学校で配られたプリント
授業で配られたプリントは定期テストの勉強をする上で欠かせないものです。先生によってはプリントを使って授業を進める(穴埋め式のプリントをノート替わりに使う)こともあります。
試験前に「プリントが見つからない!」と慌てないように、しっかりと整理をしておきましょう。これらのプリントは授業の復習や問題演習としても使えるので、学校ワークと同じようにコピーをとっておくと便利です。
4. 教科書準拠の問題集
定期テスト対策としての教材・問題集は、教科書と学校ワーク・プリントを使います。とくにワークのA問題・基礎問題(国語は除く)は条件反射でパっと答えられるよう、繰り返し練習することが大切です。
まずは学校ワークをパーフェクトに仕上げることを目標にします。教科書準拠の問題集は、学校ワークをやり切った後に「時間が残っていた」ら使うようにしましょう。
教科書準拠の問題集を使うとしたら
学校のワークがパーフェクトに仕上がった上で、もう少し問題を練習した場合には、教科書準拠の問題集を1教科につき1冊だけ買うのがよいでしょう。このとき、アレもコレもと問題集を買ってはいけません。
市販されているものであれば、「教科書ワーク」や「教科書トレーニング」が教科書準拠の問題集となります。
教科書準拠問題集の使い方
教科書準拠問題集の使い方は、学校ワークのときと同じです。正解できなかったもの、正解していても解き方があやふやなものは必ず解き直しをします。その後で、間違えた問題と似たようなものを学校のワークから探し、もう1度解いてみるのがよいでしょう。
いつから勉強を始めるのか?
定期テストに向けての勉強は「スケジュールを立てる」ことが大切です。いつから勉強を始めるのかは人それぞれで異なります。テスト対策のスタートは、「定期テストの1週間前には学校ワークの試験範囲を1回解き終わっている」ことから逆算をして決めましょう。おそらく、目安となるのは「テストの2週間前」です。
すべての教科のワークを1週間前までに終えるのはハードなので、ふだんから少しずつ進めておくようにします。このとき、わからないものや解き方があやふやなものは、教科書やワークの解説を読んだり、学校の先生などに聞くなどしておきましょう。
定期テストの1週間前までに、教科書と学校ワークでわからないところは「ゼロ」にしておくことが大切です!
定期テスト1週間前は問題演習がメイン
定期テスト1週間前の勉強は「問題演習」がメインとなります。この時期は単元の重要なことを覚える(インプットする)のではなく、どんどん実践的に問題を解く(アウトプット)ようにしてください。
教科書に蛍光ペンで線を引いたり、英単語帳をつくったり、学校の授業で習ったことをノートにキレイにまとめたりなどはインプットの作業なので、テストの1週間前からはこれらに時間をとられることがないようにしましょう。
問題演習を繰り返すなかで、できないところをなくしていくのが、テスト前の正しい勉強法です。この時期は「アウトプット>インプット」を肝に命じて勉強をしてください。
どのように勉強するのか?
ここからはどのように勉強するのかを解説します。まずは「ふだん」の勉強と「テスト対策」の勉強とをわけて考えましょう。
ふだんの勉強
ふだんの勉強法については以下の記事に詳しく解説しているので、よければご参照ください。ここでは勉強のポイントをピックアップしておきます。
【中学生の勉強法】ふだんの勉強法をわかりやすく解説!- 学校の授業がキホン!
- 家庭学習は授業の復習とワークの演習
- 英単語や漢字は毎日コツコツ
1. 学校の授業がキホン!
中学生のみなさんは1日の多くの時間を「学校」で過ごします。つまり、みなさんがもっとも勉強できる場所は「学校」なのです。さらに、定期テストは授業で習ったところから出題されるのですから、授業を集中して聞くことがもっとも重要な勉強法だと言えます。
学校の授業でわからなかったものは、そのままにしないように! わからないところは必ず先生に質問をしてください!
学校の授業やワークでわからない問題があればチェックをしておき、できるだけすぐに先生に質問をするようにしましょう。わからないものをそのまま放っておくと、どんどん問題が解けなくなり、余計に勉強時間がかかります。テスト勉強として学校のワークをスムーズに演習するためにも、わからない問題はすぐに解決をするのがキホンです。
2. 家庭学習は授業の復習とワークの演習
ふだんの家庭学習では、教科書やノートを使っての授業の復習とワークの演習を行いましょう。テスト対策が始まるまでは、新しい語句や問題の解き方をどんどんインプットしていきます。この時期はインプットとアウトプットの割合が「6:4(または5:5)」でOKです。
3. 英単語や漢字などは毎日コツコツ
英語の単語や国語の漢字、理科・社会の新出語句などは、ふだんからコツコツと覚えておきましょう。これらは問題を演習する上で必要な知識なので、テスト勉強が始まる前にインプットしておかなければなりません。また、コツコツと語句を覚えておけば、学校の授業をより理解することができるようになります。
テスト対策の勉強
テスト対策の勉強のポイントは以下の3つです。ひとつずつ詳しく解説します。
- 学校ワークを繰り返し解く
- 「わかる」から「できる」へ
- 技能科目は定期テストの1週間前から始める
1. 学校ワークを繰り返し解く
定期テストで高得点をとるためには、とにかく学校のワークを繰り返し解き、正解できなかったものを解き直して「できる」ようにすることが、もっとも効果のある方法です。問題が「できる」ようになっているのかは、友だちや家族からワークのどこを質問されてもパっと解説できるかで確認をしましょう。
ワークを繰り返し解くときの注意点
ワークを繰り返し解くときは、それぞれの回ごとに「意識」を切り替えることがポイントです。
- 回目:試験範囲の全体像をつかむためにワークを解く
- 回目:わからない・あやふやなところをなくす
- 回目:試験の前日に最終確認として問題を解く
学校のワークは少なくとも3回は解く必要があります。もちろん、それぞれの回で「解き直し」もしてください。ワークの演習を反復するのは、「問題演習を繰り返すことで、学習したものが身体に定着する」こと、「回数毎に解く意識(目的)を変えることで、抜け落としがなくなる」ことの2つの理由があるからです。
定期テストに出題されるすべての問題を「できる」ようにするためには、ワークを繰り返し解いて「わからないものをゼロにする」ことが1番の近道となります。勉強が「できる」のには地道な練習が欠かせないのです。
2. 「わかる」から「できる」へ
教科書や学校の授業が「わかる」こととワークや定期テストの問題が「できる」ことには大きな隔たりがあります。テスト対策の勉強では、問題を「わかる」から「できる」ようにしなければなりません。それでは、勉強(問題)は「できる」とはどのようなものなのでしょうか?
勉強(問題)が「できる」とは?
勉強が「できる」ようになるには、基本を繰り返し繰り返し練習することが欠かせません。条件反射でパっと答えることができなければ、勉強が「できる」状態になってはいないのです。これは水泳や自転車の練習を例にするとわかりやすいでしょう。
不思議なことに、正しいフォームのことを考えながら泳ぐのではなく、無意識のうちにフォームが正しくなっていれば、私たちはスイスイと泳げるようになります。この「無意識」のうちにが「条件反射」ということです。
この繰り返しの練習によって、「できる」ようになるのは勉強でも変わりません。基礎の問題が条件反射のレベルでできるようになるまで、反復練習をしなければならないのです。
技能科目はテストの1週間前から始める
期末テストは英語・数学・国語・理科・社会の5教科だけでなく、技能4科目(体育・美術・音楽・技術/家庭)の試験も行われます。技能科目は「覚える」ことがメインとなるので、勉強は1週間前からでOKです。授業で配られたプリントなどはしっかりと整理し、すぐに勉強できるようにしておきましょう。
技能科目については、勉強する時間をどのようにつくるのかの「スケジュール」がもっとも大切です。技能科目の対策時間をしっかりととるために、主要5科目はふだんからコツコツと勉強をしておく必要があります。
さいごに
定期テスト対策の勉強は、その先にある「高校受験」にもつながる大切なものです。受験が近づいてきた中3の夏休み明けに、「テストの勉強をどうしたらよいのかわからない……」と悩まないためにも、今からコツコツと「勉強法」を習得していきましょう。
「勉強のやり方がわからなくて成績が伸びません」という人のほとんどは、勉強の量が足りていません。
- 学校のワークは3回以上解きましたか?
- ワークの解き直しはしましたか?
- 英単語や漢字を毎日コツコツ覚えましたか?
「勉強方法」を身につけるためには手と頭を動かして、反復練習をコツコツと続ける必要があります。同じことを繰り返す反復こそ、勉強が「できる」ようになるコツなのです。