小学校と中学校の大きな違いは、「定期テスト」があるかどうかです。中学校の先生は定期テストの点数をもとに内申点(通知表の成績)をつけます。そのため、中間・期末試験に向けてしっかりと勉強をしていないと、思ったような成績がとれないこともあるでしょう。
小学校のときは勉強ができたのに、中学に入学してから成績が下がった生徒さんを見かけます。これはどうしてなのでしょうか?
中学校の定期テストは範囲も広く、英語・数学・国語・理科・社会の5科目にプラスして、技能4科目(体育・音楽・美術・技能/家庭)も勉強しなければなりません。ふだんからコツコツと勉強をしていないと、テスト前だけではとても間に合わないのです。
中間試験→英・数・国・理・社の5科目
期末試験→英・数・国・理・社の5科目+技能4科目
中学生になってから、勉強の悩みや不安が増えていませんか?
- ふだんはどんな勉強をすればよいの?
- 英語や数学の勉強方法がわからない
「勉強しないとマズイ!」と子どもたち自身が思ったとしても、勉強の方法がわからなければ前に進むこともできません。今回の記事では、「ふだんの勉強」についてオススメの方法を紹介します。
これから初めて定期テストを受ける新中1年生も、これまでに思うような成績を上げられなかった2〜3年生にとっても、正しい勉強法をきちんと押さえれば、素晴らしい結果を出すことができるでしょう。
目次
ふだんの勉強法はどうすればよいの?
中学校の定期テストは範囲が広いため、試験の直前にたくさんの英単語や数学の公式をムリヤリ頭に詰め込もうとしても覚えられませんよね。また、部活動をしていると、毎日の勉強にまとまった時間をとれないこともあるでしょう。
大変だからとあきらめてはいけません。コレを読んでいる皆さんは正しい勉強法を知って、定期テストまでにしっかりと準備をしよう!
皆さんに知って欲しい「ふだんの正しい勉強法」は、大きくわけて6つあります。
- 学校の授業がキホン!
- 家庭学習は教科書とワークを中心に
- 英語・数学・国語は短時間でも毎日勉強する
- 暗記は「小さなテスト」を繰り返す
- 学校と家庭学習のノートをわける
- 定期テストに向けてのスケジュールを立てる
詳しく解説するので、ひとつずつ見ていきましょう。
1. 学校の授業がキホン!
「学校の授業がキホン!」などと言うと、「そんなの当たり前じゃん!」と思う人もいるはずですが、これはもっとも大切な勉強法です。まずは学校の授業を集中して聞くようにしましょう。
中学生の皆さんは1日の多くの時間を学校で過ごします(土日は除く)。つまり、皆さんがもっとも勉強しているのは「学校」です。学校の授業をおろそかにすれば、通知表の成績は上がりません。
1-1. 定期テストは授業で習ったところから出題される
すでに述べたように、通知表の成績は定期試験の点数がもとになります。成績を上げるには、定期試験で高得点をとれるような勉強をするのがベストです。定期試験は授業で習ったところから出題されるのですから、しっかりと授業を聞くことがもっとも重要な勉強法だと言えるでしょう。
1-2. 学校の授業でわからないものをわからないままにしない
学校の授業がスンナリと理解できるのあれば、教科書の問題や先生の配るプリントの問題を解くのは難しいことではありません。もし問題が解けなかったとしても、解説を聞けば「わかる!」となるでしょう。
問題なのは、学校の授業でわからないものをわからないままにしてしまうことです。これをそのままにしておくと、家庭学習のなかでその問題を解こうと思っても、「わからない」から手がつけられず、「もうイイヤ、や〜めた!」となってしまいます。
わからない問題は、学校の先生に質問しよう! もし、苦手な先生だったとしたら、担任の先生や話しやすい先生に相談してみると上手くいくよ!
どうしても先生に聞くのが苦手な人は、友だちに聞いてみましょう。もしかしたら、その友だちが先生に質問してくれるかもしれません。
1-3. 授業はキレイにノートをとることよりも理解することが大切
学校の先生によっては、成績をつける上で授業のノートを提出させることもあります。そのため、女の子はとくにノートをキレイに書くことに夢中になってしまうことも。
授業でノートをとるのは家で復習したり、先生の話したことを理解するためですから、丁寧な字で書いてさえあればOK! キレイに書くことに集中したせいで、授業を聞いていないのは本末転倒です。ノートをとりなかったところは友だちに見せてもらえばよいので、先生の話をしっかりと聞いて理解することに集中しましょう。
2. 家庭学習は教科書とワークを中心に
ふだんの家庭学習は教科書と学校から配られるワークを中心に進めましょう。授業でもらったプリントは定期試験の2週間前から取り組めばOKです。そのときにすぐ勉強へとりかかれるように、プリントはまとめて整理をしておきましょう。
2-1. 定期テストは教科書とワークから出題される
定期テストは教科書やワークから出題されます。この2つは家庭学習として取り組むにのにもってこいの教材です。また、ワークは定期テストの2週間前までは書き込みはせず、ノートに問題を解くようにしましょう。こうすることで、定期テスト直前の勉強として、ワークに書き込むことができます。
ワークは良問が多いので、似たような問題が定期テストでも出題されます。家庭学習では、とにかく同じ問題を「繰り返し繰り返し」解くようにしましょう。答えだけを覚えてしまうのは学力になりませんが、問題の解き方を覚えるのはOKです。
先にも述べたように、ワークは良問が多く、繰り返し解くことで確実に学力が上がります。ワークに書き込むのは定期試験直前のときまでガマンしましょう。
2-2. わからない問題は先生に質問する
授業のときと同じように、ワークの問題でわからないものがあったら、先生に質問をしましょう。どの先生であっても、生徒からの質問はイヤがりません。
「ワークの問題は解けなかったけれど、解説を読んだらわかった!」という場合は、同じ問題を何も見ずに解けるようであれば先生に質問をしなくてもOKです。
とにかく、教科書やワークの問題で「わからないものはない!」というところまで仕上げておくのがベスト! そうすれば、自信をもって定期テストに臨めます。
3. 英語・数学・国語は短時間でも毎日勉強する
中学生の皆さんは忙しい、それはわかります。
- 部活があって時間がとれない
- 友だちとLINEをしていたらあっという間に時間が過ぎてしまった
- ゲームをしていたら勉強の時間が……
でも、体調不良などの特別なことがないかぎり、英語・数学・国語の勉強は毎日して下さい! この3科目は「積み重ね」が大切なので、30分ほどの短い時間でも構いませんから、必ず勉強をしましょう。短い時間であっても3科目の勉強を毎日続けることで、それが習慣化されます。習慣にしてしまえば、勉強することは苦になりません。
英語・数学・国語を毎日どのように勉強するかは、この下から詳しく説明するよ!
3-1. 英語は毎日10分 教科書の基本文と英単語の音読
英語の教科書にはそれぞれの単元で学ぶ「基本文」と呼ばれるものがあります。「基本文」とは皆さんが新しく学ぶ文法で作られた例文です。毎日の勉強として、その日に学校で習った基本文と英単語を10分ほど音読します。
音読するためには、基本文と英単語の「発音」をできるようにしておかなければなりません。もし、学校の授業で単語の発音がわからなくなったら、先生に質問をしましょう。
音読をするのは基本文と単語を覚えるためです。もし、5分ほどで10回以上音読ができるようなら、残りの時間は声を出しながらノートに基本文を書くようにしましょう。英語の勉強はまず、基本文をしっかりと理解して、覚えてしまうことから始まります。
3-2. 数学は毎日10分、計算問題を解く
数学は毎日10分(少なくとも)、計算問題を解くようにしましょう。ポイントはすぐに解ける計算問題をピックアップすることです。問題は解答解説のあるワークから10問を選びます。しっかりと丸付けをして、答えが合っていない問題は解き直しをしましょう。
なぜ、毎日「計算問題」を解くのがオススメなのでしょうか?
毎日「計算問題」を解くことで、皆さんの「計算力」はアップします。スポーツと同じように、計算力は毎日繰り返していないと下がってしまうのです。また、定期テストや入試の問題のほとんどは「計算力」を必要とします。たとえ思考力を問うものであっても、答えを求めるまでに計算をしなければなりません。
定期テストの勉強を始めたときに、数学の計算でつまずいてしまうと、「イヤだな〜」とヤル気をなくした経験はありませんか? ふだんから計算に慣れ親しんでおくことで、定期テストなどの大切な勉強をするための基礎を身に付けられるのです。
中1:「正負の計算」
中2:「式の計算(単項式・多項式)」
中3:「式の展開と因数分解」
そのため、毎日の計算問題は学校のワークから選ぶことができます。
3-3. 国語は毎日5分(少なくとも)、漢字を練習する
国語はとにかく、「漢字」を毎日練習しましょう。定期テストの漢字は、学校ワークに載っているものから出題されます。漢字のワークは練習用のマスがあるので、それは書き込んでもOKです。ただし、ワークにある漢字の問題(読みと書き)はノートに書くようにしましょう。
定期テストの勉強では漢字の練習をしている時間はありません。漢字を覚えるのはその前に終わらせてしまうのがベストです。漢字の問題を解くのは定期試験の勉強に最適なので、ここは書き込まないようにしましょう。
3-4. 上の勉強は「最低限」のもの
ここまでの話を聞くと、皆さんのなかには「英語は音読、数学は計算、国語は漢字だけ毎日勉強すればよいんだ!」と思われる人もいるかもしれません。でも、上の勉強はあくまで「最低限」のものであり、忙しくてどうしても時間のとれないときに「少なくともコレだけは欠かさずに勉強して欲しい」ものです。
英語の音読や数学の計算問題などは、それぞれの科目をしっかりと勉強する前のウォーミングアップだと考えましょう。音読や計算練習がスムーズに終われば、皆さんの脳は勉強に向けて「活性化」します。この状態は勉強の効率をアップさせるので、学んだものへの理解がより深まるのです。
4. 暗記は「小さなテスト」を繰り返す
中学校での勉強は「覚える」ものが多く出てきます。とくに理科と社会は用語とその意味をしっかりと覚えていないと、問題を解くことができません。
「暗記は苦手」という生徒さんも多いけれど、覚えるためにはどうすればよいのでしょうか?
4-1. 覚えるコツは小さなテストを繰り返すこと
皆さんはかけ算の「九九」を小学生のときに覚えましたよね? そのときのことを思い出して下さい。おそらく、「一の段」から「九の段」まで何度も繰り返し発音して覚えませんでしたか? 暗記の基本はこの「繰り返し」の作業です。
ただ、同じものを繰り返し書いたり読んだりするだけでは効率的に覚えることはできません。暗記のコツは、「小さなテスト」を繰り返し行うことです。ここでは、「小さなテスト」の方法を英単語の暗記を例に説明します。
大切なことは小さなテストを繰り返すことです。覚えるまでテストをしましょう。もし、10個の英単語を覚えるのが難しいようなら、5個など数を減らしてもOKです。
また、私たちは時間が経つと覚えたものを忘れてしまいます。1日が経過すると、覚えたものの30%しか記憶に残っていないという有名な説(エビングハウスの忘却曲線)があるくらいです。
そのため、1週間に1度はそれまでに勉強したものを復習するようにしましょう。1度覚えたものであれば、覚え直すのにそれほど時間はかかりません。この覚え直しのときにも、小さなテストを繰り返すようにするのがベストです。
5. 学校と家庭学習のノートをわける
学校と家庭学習のノートはわけましょう。家庭学習で大切なことは、「何度も繰り返し書いて覚える」ことです。「小さなテスト」を繰り返したり、ページを折ったりすることを考えると、家庭学習用のノートを用意する必要があります。
5-1. 家庭学習のノートは科目毎にわける
家庭学習のノートは科目毎にわけましょう。1冊のノートに5科目の勉強を書く子どももいますが、それはオススメできません。勉強をする上では気持ちの切り替えも大切です。例えば、教科が変わるのにノートがそのままだったりすると、脳はリフレッシュできず、集中力が落ちてしまいます。集中して勉強するためにも、ノートは科目毎に用意をしましょう。
英語のノートはCampusなどで販売している「英語4線ノート」がベストです。とくに中1・2年生は正しい英語を書くために「4線ノート」にして下さい。中3生で英単語をきちんと書けるようになっているのであれば、ふつうの大学ノートでOKです。
6. 定期テストに向けてのスケジュールを立てる
定期テストに向けてのスケジュールを立ててから、ふだんの勉強に臨みます。定期テストの日程は学年の始めに学校から配られる「年間スケジュール」に書かれているので、しっかりとチェックしておきましょう。
6-1. 定期テストの勉強は2週間前から
定期テストのための勉強は2週間前から始めます。それまでは授業で習った単元を教科書とワークで練習しましょう。テストまで2週間を切ったときに、わからない問題がゴロゴロとでてきたらとても勉強が間に合いません。ふだんの勉強ではわからないところをわかるようにする姿勢が大切です。
6-2. スケジュール表にシールを貼ることでテンション・アップ!
勉強の進み具合をチェックするため、スケジュール表をつくります。例えば、下のように日付と科目の入った表です。
スケジュール表にシールを貼ることで、どれだけ勉強を進めたかがわかります。子どもたちにとっては、シールを貼るという達成感が得られるのでオススメです。今は☆型のシールにしましたが、お好みのものでOKです。勉強のテンションが上がるシールを貼るのも楽しいと思います。
まとめ
ふだんの勉強はとにかく、学校の授業・教科書・ワークがキホンです。それらをしっかりと学習すれば、定期テストでも高得点がとれます。
勉強方法がわかったら、後はそれをどのように実行していくかです。そのためのアイディアとして、スケジュール表の作成などの例を上げました。
勉強の方法がわかったとしても、実際に手を動かして学ばなければ意味がありません。後は実行あるのみ! 皆さんの学習を応援しています!