神奈川県立高校入試の英語で80点以上をとるための時間配分とは?【2020年度版】

神奈川県立高校入試の英語は、県内トップ校の湘南高校や横浜翠嵐高校を志望する受験生であれば、90点以上の得点を目指す科目です。

補足
旧学区トップ校と呼ばれる厚木高校、横浜緑ヶ丘高校、柏陽高校、川和高校などは、英語で85点以上の得点が目安となります。

なぜ難関と呼ばれる偏差値の高い学校ほど、英語で高得点をとる必要があるのでしょうか? これは英語で出題される問題の「正答率」と関係しています。

神奈川県立入試 英語の正答率(過去3年) 全27問

正答率/年度令和2年度平成31年度平成30年度
0〜10%0問0問0問
10〜20%1問2問2問
20〜30%3問3問0問
30〜40%4問3問4問
参考 神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果神奈川県HP

過去3年において、神奈川県立高校入試の英語は正答率10%以下の問題がひとつも出題されていません。また、正答率10〜20%の問題が1〜2問しか出題されないことからも、県立トップ校(と旧学区トップ校)を目指すのであれば、英語は「いかに点数を落とさないか」が合格のわかれ目となる科目です。

「点数を落とさない=ミスをしない」方法は、問題を解く正確さと試験時間内に解ききる速さの2つを高めることが上げられます。長文(大問6と8)は単語数が年々増加の傾向にあり、英文の読解スピードをアップすることは合格に欠かせない要素です。

シラタキ
シラタキ

神奈川県立入試の英語は今後、全体の単語数が増えていくと考えられます。単語数が増えるということは、文章の読解力が今まで以上に求められるということです!

入試の英語で高得点をとるためには正確さと速さだけでなく、どの問題にどれくらいの時間をかけるのか、その「時間配分」を考えなければなりません。大問にかける時間をあらかじめ想定しておけば、模試や入試の過去問を解くときに練習をすることができます。また、時間配分を意識しながら問題を解くと、正確さや速さをアップさせることができるので「一石二鳥」です。

今回の記事では、県立の高校入試の英語で80点以上をとるための「時間配分」をわかりやすく解説します。

神奈川県立高校入試 英語の学力検査問題

「時間配分」を考える前に、英語の学力検査問題について確認をしておきましょう。ここでは令和2年度(2020年度)の問題(2月14日実施)を例に説明します。

参考 令和2年度 英語 学力検査問題神奈川県HP

問題構成と配点

英語の検査問題の構成と配点は以下の通りです。

問題構成出題分野配点
問1(計7問)リスニング21点
問2(計3問)単語の書きとり6点
問3(計4問)単語選択(文法)12点
問4(計4問)並び替え(文法)16点
問5(計1問)英作文5点
問6(計3問)長文読解15点
問7(計2問)資料読解10点
問8(計3問)長文読解15点

みなさんは英語の試験がスタートしたら、リスニングの問題から素直に解き始めるのでしょうか?

でもその前に、問題冊子の最初から最後までパラパラと目を通すようにしてください。神奈川県の入試は出題形式が変わることがあるので、初めに全体をチェックしておくと慌てずに問題を解くことができます。目を通す習慣をつけるように、模試などで練習をしておきましょう。

リスニングについて

神奈川県の高校入試は英語のリスニングからスタート。朝イチの問題でつまずくと、その焦りが後の問題に響くこともあるので、リスニングの1問目は耳を集中させましょう。また、「リスニングが聴き取れない」と思っても、焦らずに気持ちを切り替えて次の問題に進むことが大切です。

リスニングの入試対策は午前中に英語の聞きとりや問題演習をするようにしましょう。例えば、NHKラジオの「基礎英語1〜3」や「ラジオ英会話」などを朝に聴く習慣をつけておくと、午前中から英語がスっと入ってくる耳になるのでオススメです。

補足
入試当日の朝は、入試過去問のリスニングを2〜3年分ほど聴くと耳がチューニングできます。問題を解く必要はないので、朝ご飯を食べながらリスニングCDを聴くのがオススメです。

問6〜8について

問6〜8の読解問題は1問の配点が5点と大きく、高得点をとるにはここでのミスを防ぐことがもっとも重要になります。読解は正答率が25%以下の問題がまず出題されないため、旧学区トップ校を志望する受験生であれば、40点満点を目指しましょう

また、問1〜8まで問題の順番通りに解いていくと、「時間が足りなくて問8をしっかり解けなかった……」ということもあります。その対策として、模試や入試過去問などを参考に解く順番をあらかじめ決めておくのもひとつの手です。

問5はひとまずスルーしてもOK

問5の英作文は正答率が10%前半と英語のなかでは難問となります。もしパっと答えが思いつかないようであれば、スルーして次の問題にとりかかってもOKです。

最初から「問5は最後に解く」と決めておくのもよいでしょう。ここは部分点がもらえるので、空欄にすることなく必ず答えを書くようにしてください。

英語の時間配分

さて、いよいよここからは大問ごとに時間配分をチェックしていきましょう。この配分はあくまで目安なので、模試や入試過去問を解きながら、自分自身で細かく調整することをオススメします。

問1のリスニング

リスニングは約10分ほどの音声が流れます。この時間は決まっているので、「リスニングは10分かけるもの」と思い込んでいる人が多いかもしれません。ところが、リスニングに丸々10分をかけていたら、それはもったいないことです!

リスニングは時間を短縮する

神奈川県のHPに掲載されている令和2年度のリスニングを聴いてみましょう。下の参考リンクから「リスニングCD」をクリックしてください。

参考 令和2年度 共通選抜 学力検査問題神奈川県HP

リスニングCDを再生すると、日本語での問題についての説明が始まります。そして、この日本語の説明は「約1分15秒」も続くのです。リスニングの説明部分は毎年ほぼ同じことを話しているので、模試を何回か受けたことのある生徒なら、「耳にタコができる」ほど聴き慣れているでしょう。これは利用するしかないですよね。

「1分15秒」のうちにするべきことは以下の3つ。問題を解くための準備をすることがポイントです。

  1. 問題冊子のすべてに目を通す
  2. 問1(ア)と(イ)の選択肢をチェック
  3. 問3の適語選択を解き始める
1. 問題冊子のすべてに目を通す

先にも述べたように、まず問題冊子をパラパラとめくって、すべてのページに目を通しましょう。目を通すのにものの10秒もかからないので、まずはコレを習慣にしておくことが大切です。

2. 問1(ア)と(イ)の選択肢をチェック

リスニングの問題を解くコツは、先に選択肢に書いてあることをチェックして、質問文(英文のクエスチョン)を予想することです。質問を予想できれば、リスニングでどこを注意して聴けばよいのかがわかります。リスニングの点数を上げるには、選択肢のチェックは欠かせません。

選択肢のチェックは主語(S)と動詞(V)をまずチェックしておきます。(ア)のNo.1〜3、(イ)のNo.1〜2の計5問であれば、40〜50秒でチェックできるはずです。これも模試や入試の過去問を使って練習をしておくとよいでしょう。

リスニング英文の聴きとりのポイントは、主語と動詞にプラスして「5W1H」をチェックすることです。まず、以下の例文を見てください。

I went to the Minato Park by bike with my friends this morning.

もし上の文が英文で流れたら、Who=誰:I、Where=どこ:Minato Park、When:this morning、How=どうやって:bikeなどを集中して聴き、チェックしたものを日本語で問題冊子にメモしておきましょう。

3. 問3の適語選択を解き始める

上の1と2のチェックが終わってから、問1の(ア)No.1の英文が読まれるまでにまだ少し時間が残っていると思います。この20秒弱の時間で問3の適語選択を解き始めてください。問3は入試英語のなかでもっとも時間のかからない問題です。リスニングの余った時間には問3の(ア)〜(エ)を解くようにしましょう。

問1の(イ)と(ウ)でも日本語の説明がある

問1の(イ)と(ウ)にも日本語での説明があります。日本語での説明は(イ)が約40秒、(ウ)が約50秒です。(イ)はすでに選択肢をチェックしているので、丸々40秒を問3に使えます。(ウ)は20秒ほど使ってNo.1と2の英文をチェックしておきましょう。残りの時間は引き続き問3か、それが終わった人は問2の問題に進んでください。

問2の単語の書きとり

問2は例年、英単語を3つ記述します。この問題は対話文のなかの( )に適する英単語を答えるもので、読解力が欠かせません。単語がパっと思いつかないときは、次の問題に進むようにしましょう。

時間は2分

ここで答えがわからずに焦ってしまうと、いたずらに時間を消費してしまいます。少し考えて答えが思いつかなければ、潔く次の問題に進んでください。すべての問題を解き終わってから、また戻って考えるようにしましょう。

問3の適語選択(文法)

旧学区トップ校だけではなく、上位校を目指す受験生にとっても問3の適語選択は「全問正解」が必須です。問3の4問は正答率が多いので、ちょっとした見落としがないかを注意しながら問題を解くようにしましょう。

時間は0〜1分

リスニングの余った時間は問3を解くことに使います。ここにかける時間は0分〜多くても1分になるでしょう。

問4の並び替え(文法)

問4の並び替えは年度によって「正答率が40%以下」の問題が出題されるため、気持ち時間をかけてもOKです。ここは「4点×4問=16点」と配点も高く、問題を解く速さと正確さが求められます。

時間は5分

年度によっては5分を少し越えてしまうこともあるでしょう。英語で80点以上を目指す場合、もっとも点数を落としてしまうのがこの問4です。その理由は2つあります。

  1. 多くの人が長文に時間を割く
  2. 問4を解く時間が短い

神奈川県の塾の先生はほぼすべて「英語は読解問題に時間をかけること!」と教えるはずです。とくに「問6と問8の長文は10分はかけるように!」と指導するでしょう。それによって、時間配分としては「問4は5分前後で解きましょう!」となります。

ただ、この問4は年度によって難易度にバラつきがあるため、時間内に解こうと意識するあまりミスをしてしまうことも考えられるのです。4点の問題を落とすのは痛いので、ここの5分は目安として捉えてください。もちろん、6分になってもOKです。

問2〜4の目安は8分

問2〜4の目安はおおよそ8分。よく塾などでは、中3年生に向けて入試の「問2〜4」と同形式の小テストを実施するのですが、そのときに「8分」で解くようにと指導します。この時間の感覚を身体に覚えさせることで、入試のときに力を発揮できるようになるのです。

また、大手の塾に通っている人は、入試対策として「分野別」に問題がまとまったテキストを配られます。入試前はこれらを使って、問2〜4を8分で解けるように練習をしておくのがベストです。

塾に通っていない受験生は、全県模試や入試の過去問を使って問2〜4を8分で練習をします。ただ、これだけだと練習量が足らないので、全国入試問題正解と市販の問題集から神奈川県と似たような問題をピックアップして、時間配分にとり組みましょう!

問5の英作文

問5の英作文は正答率が低いため、最後に解くのがオススメです。もちろん、問題を読んですぐに答えを思いつくようであれば、解くようにしましょう。

時間は3〜4分

問5は「指定された語、語数などの条件」を必ず守らなければなりません。答えを書いた後でスペル・符号ミスのチェックを考えると、どうしても3〜4分はかかってしまいます。旧学区トップ校を目指すのであれば、英作文が合否のわかれ目になることも十分にあるので、空白にすることだけは避けましょう。

問6の長文読解

問6の長文はスピーチの原稿ということもあって、本文に抽象的な文が出てきます。年度によっては本文が読みにくいことはあるものの、(ア)〜(ウ)の問題はシンプルで、素直に解けるものばかりです(引っかけが少ない)。とくに(イ)と(ウ)は消去法(選択肢から間違ったものを探す)で解くことによって、細かな読解のミスを防げます。

時間は9〜10分

本文の単語数が年々増加の傾向にあることから、目安の時間は9〜10分としました。近年はとくに英文を読むスピードが求められているため、文意をパっとつかむ練習をしておきましょう。スピーチの英文を素早く正確に読むポイントは以下の4つです。

  1. 1つのパラグラフに1つのトピック
  2. 主語(S)と動詞(V)をチェック
  3. 接続詞butをマーク
  4. 代名詞をチェック

1. 1つのパラグラフに1つのトピック

英文において、1つのパラグラフ(段落)で述べられるトピック(話題・テーマ)は1つだけです。1つの段落のなかにテーマが2つも3つも書かれることはありません。そのため、段落ごとのまとまりで「話題・テーマ(=話者の言いたいこと)」をつかむようにしましょう。

2. 主語(S)と動詞(V)のチェック

英語の文は主語と動詞のどちらかが欠けても成り立ちません。これらをチェックすれば大まかな文意がわかります。本文を読むときは大まかに理解し、問題を解くときに細かくチェックすると正確さと素早さの両方がアップするでしょう。

補足
中学生のなかには、「命令文は主語がないよね?」という疑問をもつ人もいるでしょう。これは簡単に説明することができます。以下の例文を見てください。
Stop!
Be careful!
どちらも命令文ですが、これらは主語「You」が省略されています。「◯◯しなさい」というのはふつう「目の前にいる人」に対してですから、命令文は「You」という主語が省略されるのです。つまり、主語がないわけではありません。

3. 接続詞butをマーク

接続詞のbutは「しかし、だが」を表します。もし「A but B(AしかしBだ)」という文があった場合、話者が言いたいことはAとBのどちらでしょうか?

(例)母語と異なる言語を学ぶことは大切だ、だが、新しい言語の背景にある文化を学ぶことはもっと大切なのだ。

例を読めばわかるように、「AだがBだ」であれば、重要なのはA<Bとなります。文のなかにbutが出てきたら四角か丸で囲み、その後ろのBの文をチェックしましょう。Bの文こそが話者の主張です。もしAの文が複雑でわからないときは読み飛ばしても構いません。

4. 代名詞をチェック

長文を読んでいるときに、途中で「どんな話なのか」や「何が言いたいのか」がわからなくなるのは、「it」「him」「her」「them」など代名詞の指しているものがはっきりとしないことが原因のひとつです。そのため、素早く文を読むためには代名詞のチェックが欠かせません。

問7の資料読解

問7だけは2問とも正解してください。ここは「80点以上を目指す人うんぬん」は関係なく、「すべての受験生」が落としてはいけません。

時間は5〜7分

問7は英文が短いため、英語の読解力はそれほど求められません。むしろこの問題は与えられた情報(英文だけではなく図や表の資料も含む)を整理して、正しい解答を導く思考力が必要となります。年度によっては簡単な計算をしなければならないことから、解答に7分ほどかかってしまうこともあるでしょう。

問8の長文読解

問8は対話(3〜4人ほど)の長文問題です。会話文とあって、問6よりも文章は読みやくなっているものの、とにかく語数の多さがネック。素早く文を読むためにも、「誰が何を言っているのか」と「それぞれの人の意見(主張)」をチェックするようにしましょう。

時間は10分

例年の対話文は、「2・3人の生徒が意見を交わし、そこに1人の先生がアドバイスをする」という形で進行します。ふつうはそれぞれの生徒が出した意見について、「◯◯は賛成だけど、△△については反対だ」と他の生徒が意見を述べる会話の構成になっているので、文を読みながら「賛成(+)と反対(ー)」にチェックをするようにしましょう。

問8(ウ)は本文の内容と合っている選択肢を選ぶ問題ですが、ここはかなり細かな部分の正誤が問われています。必ず選択肢のa〜gと本文を照らし合わせて解答をするようにしましょう!

問1〜8までの時間配分のまとめ

ここでもう1度、問1〜8までの時間配分についてまとめておきます。

問題分野配点解答時間
問1リスニング21点10分(*)
問2単語の書きとり6点2分
問3適語選択12点0〜1分
問4並び替え16点5分
問5英作文5点3〜4分
問6長文読解15点9〜10分
問7資料読解10点5〜7分
問8長文読解15点10分
*問1は時間の短縮をすれば、実質的に8分ほどの解答時間になります

解答時間の合計は44〜49分。時間配分は合計が47分以下になるように調整をしましょう。ぴったり50分で計算をすると、「見直し」の時間がなくなってしまいます。少なくとも2〜3分は見直しに使いたいですから。

まとめ

神奈川県立高校の入試英語は「時間との戦い」です。とくに80点以上の点数を目指す受験生にとっては、「素早く正確に問題を解く」ことが必要となります。模試や入試の過去問などを使って、しっかりと時間配分の練習を積み重ねましょう。

神奈川県立入試は「傾向が変わることが傾向」

塾講師は受験生に「神奈川県立入試は、傾向が変わることが傾向だ」とよく言います(私も毎年のように言います)。例えば、令和2年度の入試では数学で大きく問題構成が変わりました。英語においても、平成29年度までは英作文が2問出題されていましたが、平成30年度からは英作文が1問に減少しています。

近年の出題形式に合わせた時間配分ばかりを練習すると、傾向が変わったときに対応できないこともあるでしょう。そうならないためにも、時間配分は大まかな目安だと思っておく、「傾向が変わる」ことも頭の片隅において、試験が始まったら問題冊子のすべてに目を通す、この2つを意識しておくことが大切です。

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