塾へ通わずに高校受験をする中学生は誰もが、「志望校に合格できるのかな?」と不安に感じるでしょう。高校進学は将来を左右する分岐点なので、塾なしの受験に不安や悩みをもつのは当たり前です。
まずは、みなさんの不安や悩みをとり除きましょう!
塾へ通わずに、神奈川県「上位」の公立高校に合格できますか?
はい! 合格することは可能です。
でも、「本当に受かるの?」と疑問にもつ人もいるでしょう。塾に通うメリットはたくさんあるので、もし、塾なしで受験をする場合は、その不利をはねのけなければなりません。
今回の記事では、「塾に通わずに、神奈川県「上位」の公立高校に合格する」ためのチェックリストを作成しました。志望校合格へのロードマップ(道しるべ)としてご活用ください。
また、チェックリストとともに、学習方法、志望校の選び方、受験の対策方法などをわかりやすく解説しています。
目次
塾なしで神奈川県「上位」の公立高校に合格するためのチェックリスト
チェックは17項目あり、これらを4つのグループにわけてリストとしました。グループは以下の通りです。
- 学習面
- 性格面
- 志望校
- 受験対策
チェックの数が多ければ、それだけ合格に近づきます。上の4つのグループのうち、性格面は家庭環境や生まれついてのものもあるので、チェックがなければダメというわけではありません。合格の目安となるチェック数は、それぞれのグループごとに解説しています。
学習面のチェックリスト
学習面についてチェックしましょう。当てはまるものに「レ」をつけてください。
□ | 学校の授業を集中して聞き、その時間内で内容を理解する |
□ | 勉強習慣(家庭学習)が身についている |
□ | 定期テストで英・数・国・理・社の合計が425点オーバー |
□ | 2年生3学期の内申点が39以上、3年生2学期の内申が40以上 |
□ | わからない問題を解説できる人がまわりにいる |
学習面のグループはすべての項目にチェックを入れられるようにしましょう。塾なしで県立の上位校に合格するためには、必須のものを集めました。
学校の授業を集中して聞き、その時間内で内容を理解する
高校受験の勉強のキホンはとにかく「学校の授業」をしっかりと聞き、内容を理解することです。授業をおろそかにしていては、時間がもったいない! また、しっかりと授業を聞くことで先生への印象もアップし、内申点も上がる可能性が高くなります。
勉強習慣(家庭学習)が身についている
高校受験は中学3年間の勉強が問われます。そのため、ふだんからコツコツと勉強していることが大切です。学校の授業を聞き、家庭学習として学校のワークに取り組むことで、定期テストは高得点がとれるようになります。まずは、この項目にチェックを入れられるようにしないといけません。
【中学生の勉強法】ふだんの勉強法をわかりやすく解説!定期テストで英・数・国・理・社の合計が425点オーバー
定期テストは内申点に直結するものです。学校の授業を集中して聞き、ふだんからしっかりと家庭学習に取り組みましょう。
定期テストの5科目の合計が425点を超えていれば、学校の内容は身についていると考えてOKです。1年生のうちに425点を下回るようなら、ふだんの勉強と定期テスト対策の方法を見直す必要があります。
また、高校入試前の最後の定期試験となる3年生2学期末は、450点オーバーを目指して勉強しましょう。この点数をクリアできれば、入試に向けて大きな自信となるはずです。
2年生3学期の内申点が39以上、3年生2学期の内申が40以上
神奈川県の高校入試は、2年生3学期と3年生2学期の内申点を評点として利用します。入試に向けてのアドバンテージとするためにも、内申点はとれるだけとることが大切です。
入試の評点となる内申点は「2年生3学期+3年生2学期×2」で計算し、135点満点となります。県立の上位校を目指すのであれば、内申の目安は以下の通りです。
- 2年生3学期:39以上
- 3年生2学期:40以上
この内申点の合計「119」をクリアすれば、県内上位校の合格が見えてきます。
わからない問題を解説できる人がまわりにいる
学校の授業やワーク、受験演習の問題でわからないところを解説できる人がまわりにいるでしょうか?
学校の授業やワークであれば、先生に質問するのがベスト。ただ、どうしても先生に聞けない場合は、保護者や兄妹、親戚、知り合いの誰でもよいので、わからないところを解説できる人が周りに必要です。
上位校であれば、正答率10〜30%の入試問題を解く学力が求められます。これらを解くには、学校で習うものは完璧にしておかなければいけません。また、模擬試験や市販の問題集でわからない問題が出てきたときに、しっかりと聞ける人を見つけておきましょう。
性格面のチェックリスト
ここからは性格面のチェックリストです。先に述べたように、性格は家庭環境や生まれつきによるものに左右されるため、チェック項目のすべてに「レ」がつかなくともOK! ただ、塾なし受験をする上で、これを読んでいる「あなた」が以下の性格に当てはまるのなら、大きなプラスだと考えてください。
□ | コツコツと勉強を継続できる |
□ | オンとオフの切り替えができる |
□ | 周りの人に引きずられない(影響されにくい) |
□ | 先生にわからないところを質問できる |
「先生にわからないところを質問できる」にチェックがつくなら、学習面の「わからない問題を解説できる人がまわりにいる」はクリアとなります。
性格面のチェックリストは項目を見ればわかるものがほとんどなので、ここでは「オンとオフの切り替えができる」だけを解説しましょう。
オンとオフの切り替えができる
これはハードな部活動に入っている人を念頭にした項目です。勉強と部活を両立するためには、かぎられた時間に集中して学習できるかがポイントとなります。オンとオフの切り替えが得意な人は、すぐに勉強にとりかかることができるでしょう。塾なし受験を考える上では、有効に時間を使うことが大切です。
志望校のチェックリスト
塾なしで神奈川県「上位」の公立高校に合格するためには、「志望校の選び方」が最重要の項目となります。受験成功の50%は「志望校」をどこにするかにかかっていると言えるでしょう。
□ | 神奈川県立の上位校 |
□ | 特色検査ナシ |
□ | 私立併願がOK |
このチェック項目は重要なものばかりなので、ひとつずつ解説します。とくに「私立併願がOK」かどうかは受験を大きく左右するものだと考えてください。
県立上位校
神奈川県内のトップ校(湘南高校・横浜翠嵐高校)を受験する場合は、塾に通うことをオススメします。理由はシンプルで、受験の情報や入試までのスケジューリング、入試へのモチベーション・アップなどを塾がサポート(フォロー)してくれるため、受験生が「学習(勉強)」そのものに集中できるからです。
塾なしであれば、受験勉強以外のものもすべてひとり(または家庭がサポート)で行わなければなりません。県立上位校であれば、受験情報の収集や入試までのスケジューリングに時間を割いてもOKです。
特色検査ナシ
特色検査とは、神奈川県の難関校(県内トップ校+旧学区トップ校)だけが実施する検査科目です。この検査は公立の中高一貫の入試と似ていて、「思考力・判断力・表現力」が問われます。中高一貫校を受けたことがない生徒だと、中学校で習うことのない問題に戸惑うかもしれません。
塾なし高校受験では、特色検査がある難関校をできるだけ避けましょう!
特色検査は5教科の入試問題とは形式が異なるため、対策に時間がかかります。5教科の入試問題にしっかりと時間をかけたい塾なしの受験生は、特色検査のある難関校を避けるのがベストです。
私立併願がOK
これも志望校を選ぶ上で、重要な項目となります。中学校の進路面談では、「第一志望の公立高校+併願する私立高校」を選ぶように、担任の先生から話があるでしょう。このとき、私立併願がOKのご家庭ならとくに問題はありません。
家庭の経済的事情によって、私立高校への進学ができない場合は公立の志望校を慎重に選ぶ必要が出てきます。それは神奈川県の公立高校入試が1年に1度しか行われないからです。もし、公立高校のみの受験であれば、不合格を絶対に避けなければなりません。そのため、確実に合格できるように、学力よりもランクが下の高校を受けることになります。
受験対策のチェックリスト
このグループではおもに受験勉強に関する項目を集めました。受験対策のチェックリストをもとに、どの模擬試験を受けるべきか、どの受験問題演習を解くべきなのか、入試に向けてのスケジューリングなどを解説します。
□ | 3年生時には全県模試をすべて受ける |
□ | 3年生の10月末までに教科書内容を終わらせる(先取り学習) |
□ | 受験演習は「全国高校入試問題正解」を解く |
□ | 模試や過去問の解き直しノートを作成する |
□ | 入試までのスケジュールを立てる |
塾なし受験を成功させるためには、これらすべての項目にチェックが入らなければいけません。ここを乗り切れるかどうかが「志望校合格」への大きなキーポイントとなります。
3年生時には全県模試をすべて受ける
受けるべき模擬試験は「全県模試」です。3年生になったら、全7回の全県模試をすべて受けましょう。模試を受ける理由は以下の3つです。
- 合格に必要な入試の得点がわかる
- 入試の問題と雰囲気に慣れる
- 間違えた問題の解き直しができる
ひとつずつ説明します。
合格に必要な入試の得点がわかる
塾なしの受験生にとってもっとも苦労するのは、「入試でどれくらいの点数をとる必要があるのか」という情報を得ることです。
入試でとるべき合計の点数がわかれば、合格に必要な5科目のおおよその勉強時間を計算できます。そうすることで、入試までの勉強のスケジュールを組み立てられるのです。
入試の問題と雰囲気に慣れる
入試の問題は学校の定期テストと形式が異なります。解くのに時間がかからないように、問題の形式に慣れておく必要があるのです。また、入試の場(模擬試験会場やタイムスケジュール)の雰囲気にも慣れておくと、余計な緊張をせずに本番に臨めます。
間違えた問題の解き直しができる
模試を受けた後で大切なのは、間違えた問題の解き直しをすることです。解き直しをすると、次は似たような問題を解けるようになります。入試を想定した模擬試験の解き直しをすることは、受験勉強のなかでもっとも効率的な方法のひとつです。
3年生の10月末までに教科書内容を終わらせる(先取り学習)
3年生では学校の先取り学習を心がけましょう。10月末までに英・数・国・理・社の教科書内容はすべて終わらせて下さい。先取り学習をするのは、11月〜入試までの3ヶ月半で入試過去問などを徹底して演習するためです。
先取りに使用する参考書+問題集は市販のものでOK。県内上位校を狙う学力があれば、書店で自分に合った本を選ぶことができると思います。しっかりとやり切れるものを選びましょう。
受験演習は「全国高校入試問題正解」を解く
高校受験についての情報を発信しているWebメディア(ブログなど)の多くは、受験演習の問題集として「全国高校入試問題正解」を上げています。この入試問題集は量・質ともに十分なものですから、塾なし受験生は必ず解ききるようにしてください。
全国入試問題正解を解く時期
全国入試問題正解は、「夏休み」と「11月〜」の2つの時期に解くようにしましょう。夏休みでは5科目の教科書内容が終わっていないので、解けない問題はスルーをしながら演習します。11月にはすべての問題が解けるので、全国の入試問題を解ききってください。2つの時期に演習をすることで、問題集を2周できます。
模試や過去問の解き直しノートを作成する
高校入試の当日、みなさんは休み時間に勉強するものとして、どんな教材をもっていきますか?
試験当日は今までに解いた模試や過去問の「解き直しノート」をもっていくのがオススメです! 「解き直しノート」にはあなたの間違えやすい問題がまとまっています。これをしっかりと見直しておけば、安心して試験に臨めるでしょう!
入試の当日にできる勉強と言えば、今まで解いた問題をしっかりと見直すことくらいです。そのときに持参できるように、模試や過去問の解き直しノートを作成しておきましょう。できれば、科目ごとにわけておくと、試験のときに見やすいと思います。
今までに苦労して解き直した問題や、いつもミスしてしまう問題など、そのノートにはあなたが懸命に受験の勉強をした証があるはずです。それらを試験前に見直せば、「ここに来るまでにこれだけの勉強をしたのだから、絶対に大丈夫!」という気持ちになれるでしょう。解き直しノートがあれば、安心して試験に臨めます。
入試までのスケジュールを立てる
入試までのスケジュールをしっかりと立てましょう。とくに、3年生になったら、2ヶ月毎のスケジュールを作成するようにします。2ヶ月毎の理由は、全県模試の結果をもとに受験のスケジュールを修正する必要があるからです。
3年生9月末までに中学生の教科書内容をどのように終わらせるのか、神奈川県の公立高校入試の過去問、全国入試問題正解などをいつまでに終わらせるのか、全県模試の解き直しをどうするのかなど、細かくスケジューリングしてください。
まとめ
塾なしで県内上位校に合格するためのチェックリストはいかがでしたか? 塾のサポートを受けずにひとりで(ご家庭のサポートは含める)受験対策を行うのはかなりハードです。
このチェックリストは塾なし受験生のロードマップになるようにと作成しました。表を見ながら「レ」のチェックをしていけば、自分に足りないものやことがわかるはずです。あなたにとっての「高校受験」をココからスタートさせましょう!